大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

高松高等裁判所 昭和25年(控)130号 判決

被告人

金福一

外一名

主文

本件各控訴は、これを棄却する。

被告人徐相卓の当審訴訟費用は、同被告人の負担とする。

理由

弁護人福田龜之助の控訴趣意第二点について

所論犯罪事実を自白し改悛を誓う場合の被告人と犯罪事実が認められる証拠乃至は情況があるのに犯行を否認し、しかもその否認は合理的理由がないような場合の被告人とは量刑上処遇を異にするのは刑の目的上当然のことである。それだからと云うてこのような処刑を目して量刑の少しでも軽いのを願う被告人の心裡に影響を与えひいては自白をするに至る結果となり間接に自白の強要となる又は新刑訴の認めている默秘権を侵す違法があると云う所論は当を得ない、その他所論についても記録と併せ検討したが量刑過重とは認められないので論旨は凡て理由がない。

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例